地球温暖化と北極、ホッキョクグマ、異常気象の原因について。

地球温暖化とホッキョクグマ

地球温暖化によって北極圏では海氷の厚さが約40%も減少したと報告されていますが、北極圏に生息するホッキョクグマにとって、氷が減るとどの様な影響があるのでしょうか?WWFの調査によると、ホッキョクグマが生息する最南端の地域であるカナダのハドソン湾で、通常より海氷が解けるのが一週間早かった場合、ホッキョクグマの体重は約10キロも減ってしまい、健康状態も悪化していることが報告されています。又、驚くことにホッキョクグマのメスにおいては、北極圏の気温が1℃上昇するとその体重は22キロも減少してしまう場合もある様です。ホッキョクグマの習性は春と秋に氷上で狩りを行うので、その氷が減少していることに大きく関係しているのです。ホッキョクグマの食糧減は氷の下に潜んでいるアザラシなのですが、地球温暖化により北極圏の夏が長期化し、氷が溶けている期間が長くなっている影響なのでしょう。「地球温暖化」によりホッキョクグマが痩せてしまうことは調査によって明らかになっています。ホッキョクグマのメスが痩せてしまい、十分な栄養が備わっていないと、そのメスグマから産まれる仔グマにも影響が及びます。近年の1980年から1992年にかけて、ハドソン湾で誕生した仔グマの生存率は半数以下である44%を示しています。メスグマは、北極圏に冬が近づくと仔グマを産むために雪洞に巣ごもりします。仔グマを産んだ後も春の到来まで約100日間何も食べずにその雪洞で過ごし、母乳を与えるのですが、それだけの栄養が必要なのです。

北極圏の地球温暖化

地球温暖化の影響は、北極圏を直撃します。ヒマラヤや北極圏などの高山地帯では、地球温暖化による気温上昇率が他の地域と比較して非常に高いと言われ、地球温暖化の影響が現れやすい環境下にあるとされています。第4次報告書(IPCC)では20世紀の100年間の間で平均気温が約0.74℃上昇したと報告されていますが、その数値は地球全体の平均値なのです。顕著に地球温暖化の影響が現れやすい北極圏で確認すると、その2倍である2℃以上も平均気温が上昇しているのです。また驚く事実として、北極を覆っている海氷の厚さは例年の約40%近くも減少したと言われています。北極圏における地球温暖化の影響は、その地域に生息する生態系にまで影響が現れています。近年良くテレビ番組などでも特集される「ホッキョクグマ」は、絶滅の危機さえあると報告されています。ホッキョクグマはその名の通り北極圏にしか生息していませんが、今以上に北極圏が暖かくなってしまうと生存していくことが出来ないと言われています。北極圏に生息している2万頭から2万5千頭のホッキョクグマはその数を減少させていると報告されています。また国際自然連合(IUCN)での報告では絶滅の危険がある野生生物のリストの「レッドリスト」にホッキョクグマが掲載されています。人類が排出し続けている温室効果ガスによって地球温暖化が進行し、野生生物を絶滅させてしまう現実を重く受け止め、早急な緩和策を実行することが必要なのです。

地球温暖化における異常気象

「地球温暖化」現象は様々な異常気象を誘発します。まずは降水量の長期的な傾向を考えていきましょう。過去10年間に北半球の中緯度から高緯度にあたるほとんどの陸地において、降水量は0.5%から1%増加しています。逆に北半球の亜熱帯地域の降水量は同じく10年間に0.3%減少しています。20世紀後半になると、北半球の中緯度から高緯度にあたる地域では、大雨が発生した頻度は2%から4%も増加しています。今後も地球全体の地域において「地球温暖化」に影響のある水蒸気と降水量は増加傾向にあると予測されています。干ばつや豪雨をもたらすエルニーニョ現象は、特に新しい気象状況ではありませんが、やはり過去100年間と比較して、1970年以降は発生頻度が高く、また一度発生するとその現象が長期化する傾向をみせています。エルニーニョ現象とは熱帯東太平洋で、海水の温度が平年と比較して0.5℃以上高い状況が継続する気象状況を指しますが、近年のエルニーニョ現象は海水温の上昇幅がより高くなっています。エルニーニョ現象の反対に、海水温が0.5℃以上低い状態をラニーニャ現象と言いますが、このラニーニャでは大きな異常気象はさほど発生はしません。近年の予測では、21世紀中に気温の上昇、大きな範囲、地域での大雨、豪雨の増加、中緯度にあたる地域での夏季渇水、大型台風、熱帯低気圧の最大風力、降水量の増加などの異常気象現象が発生するとされています。

地球温暖化と北極、ホッキョクグマ、異常気象の原因について。
Copyright © 2007 - 地球温暖化と北極、ホッキョクグマ、異常気象